Vol.123 快適なMacのある生活を 徳留浩二郎
Users Group
2002年8月31日その日は台風15号が鹿児島に接近してくるまっただ中。鹿児島市の高台にある城山観光ホテルで、だんだん強くなってくる風に「みんな来てくれるだろうか」と不安なひと時を過ごした事を今でもわすれません。その日は、かごしまMacユーザーグループの第一回定例会の日。それまで、掲示板でしか話をしなかった鹿児島のMacユーザーさん達が初めて顔を合わせた日です。結局、台風の中、23名と幼児一名が参加しiBookやiPodが持ち寄られた会は、初めて顔を合わせた人たちとは思えない笑顔と笑いのひと時。Mac仲間が集まれば楽しいな~と、なんとも言いようのない嬉しい気持ちがこみ上げてきた瞬間でした。
私とAppleとの出会いは、その日からさかのぼる事20年前。1982年の在米中に愛用していたタイプライターのリボンの調子が悪く、当時全盛だったパーソナルコンピューターへ乗り換えようと、マンハッタンに買いに行った事から始まりました。当時はAppleの事はほとんど知らず、タイピングとゲームができたらいいなと、アタリ社やコモドール社の製品と比較しながらコンピューターショップを物色してまわり、結局、コンピューターなのに6色の林檎マークがなんともヒッピーな感じに惹かれApple IIに決めました。中身の事などほとんどわからない時でしたのでデザインで決めたわけです。その出会いは、Appleが革新的なメーカーであった事から、四半世紀を超えて大切な趣味になりました。
1998年宮崎県在住時に5台目のAppleとしてiMacを購入。添付されていたアドビ社のPage Mill の助けを借りてはじめたホームページは、2000年に鹿児島に帰ってから鹿児島県内のMac情報を内外に伝えるサイトへ発展しました。仕事でWindowsを使う機会が増えた事からストレスがたまるのを防ぐ為に、心のよりどころとして毎晩ホームページを更新しました。県内の人へはMac販売店の情報を伝え、県外の人へは貧弱な鹿児島のMac事情を伝える目的でしたが、今思えば、Appleの噂を楽しみ、新商品を勝手にレビューをしたり、と随分身勝手な内容だったな~と反省しています。それでも、県内のMacユーザーさんには知れ渡る存在となり、メールで情報などをいただく機会も増え、掲示板をつくるなどして交流を広げていきました。
2002年に東京ビッグサイトで開催されたMacworld TOKYO 2002には17万3千人の一人として参加、日本最大で最後となったMacな祭典を楽しみました。会場の一角でユーザーグループの人たちが楽しそうにしている様を見て、こんな仲間がいたら楽しいかも…と思っていました。その年のアップルは、iPodのヒットを受けてこれまでの小売戦略を一転し、地方でも販売店を増やし、それまで3店舗であった鹿児島県内のアップル製品取扱店が一気に8店舗に拡大することになりました。実際にはiPodのWindows版を販売するための戦略転換でしたが、結果的にはMacが一気に店頭に並んだ年でした。
鹿児島のMac事情も成熟してきたと感じ、その年の7月にはユーザーグループの発足をアップル社へ相談し正式に認定してもらいました。最初の定例会を8月31日とし、自身のサイトで呼びかけました。8月20日にはApple社のサイトとMACお宝鑑定団のサイトでも紹介され、参加者が増えた事を覚えています。その当日は予想もしない台風15号の接近でしたが、そんなのどこ吹く風と楽しいひとときを過ごしたのは前段で紹介したとおりです。Webの中からとびだして感じた事は、やはり人がいるといいな。いろんな職業の人たち、年齢もさまざまで、それぞれに主張の違う人たちですが、共通の趣味をとおして楽しんでる事、笑える事のすばらしさを感じました。
翌年には、お宝鑑定団のDanboさんにすすめられて、AUGM鹿児島運営委員会を結成し、Apple User Group Meeting in Kagoshima July 2003を開催。Appleさんのサポートや参加していただいたベンダーさんと会員さんの力により鹿児島のMacな祭典として定着し、来年10回目を迎えます。県内や県外からMacな仲間が集まり、昼間はちよっとだけまじめにプゼンテーションをして、夜は土地のグルメを食べまくり遅くまで大騒ぎする会ですが、それが楽しくて、いつしか九州全土から沖縄へもその楽しさを広める楽しみがライフワークとなりました。
アップルの良さはと聞かれて、多くの人は革新的な事と答えると思います。私もそう思う、でも私の考える革新さは、ずーと昔からMacは人間みたいだった事。使うソフトがちがうだけで使い方が一変するなんて考えられない。一度つきあい方がわかればソフトがちがっても同じ感覚で使え、その操作感はバージョンを重ねるたびに進化しているところです。機械なのに人間的なところが好きで、同じように感じている熱い仲間たちがいる事。一人ひとりの主義主張はちがっても、Appleが牽引してつくりあげるクリエイティブな世界に敬意を払い、愛している仲間たちがいる事がアップルの革新なのだと思う今日この頃なのです。
はじめてみた時に私を魅了した6色の林檎マークは今ではちょっとクールで立体的に変わりましたが、アップルが革新的でありつづけるかぎり、そんなアップルを好きな仲間がいるかぎり、アップルを愛し快適な生活をおくっていけるのだと思います。
徳留浩二郎
九州のAUGMの火付け役、かごしまMacユーザーグループのtokuさんです。今、九州地区では毎月のようにAUGMが開催され、日本中のほかの地区を凌駕していますが、彼の功績が無ければ、今は無かったと思います。これからも九州沖縄地区のAUGMが楽しみであるとともに、我が大阪も負けてられないですね。
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