Vol.118 Appleの歴史に名前を残そう 西田 陽一

Apple Store

「 Apple の歴史に名前を残そう」

そんな単純な発想から銀座店のオープンに行く事になりました。当時米国には既に難店舗もオープンしておりオープン前の雰囲気は何となく分かってはいたので、流石にこの時間には誰も居ないと思いきや居るじゃありませんか(笑)居たのは ifo Apple Store でお馴染みの Allen 親子。この親子との出会いが、次の心斎橋に行くきっかけになります。

さてその銀座店オープン。ネットやテレビ等で見られた方は「凄い人数だ」という感想かもしれませんが、実はあの人数に達するまでの戦いは非常に困難を極めていたのです。朝 9 時にストアスタッフに「並んでいるよ」と一応確認を取る。通りにも人が増えだしストアの前に立ってるのも何ともだし、離れて立ってるのも何ともの感じ。心の中で「この会社へ向かう人達が帰る頃まだ居るんだよなぁ」とも思う。深夜雨が上がったものの雲行きは微妙そして人数も微妙で、しまいにはしゃがんだまま寝落ちして銀座の街で転がる有様。翌朝、土砂降りの雨にも関わらず始発が走り出すと共に増える増える人の数。そして皆さんの記憶の状態に。お昼過ぎストアの帰りに ifo の Gary 氏と大阪で会いましょうと約束をして帰路に。

そして、世界に配信された深夜の大宴会の心斎橋。今の全ての始まりでもあり、歴史に名前を残すどころかアウトローユーザーの道への第一歩はここから始まったと言っても恐らく間違いではないでしょう。前日(これが重要)の朝 5 時 30 分心斎橋のストア入り。仕上げ作業をしている方々から「台風がきてるでー」と有り難いお言葉。現場の状況確認では無いですが、 2 ヶ月前から週に 2 回もストアを見に行ってれば顔も覚えられるか・・・。少しして ifo の Allen 親子到着。言葉は通じないながらも久々の再会にガッチリ握手、同じ趣味(?)の者同士言葉なんて物は二の次ですよ。今回は iPod mini とラッキーバックの効果なのかどんどん人が増える。途中テレビのレポートが来たのですが、避難避難。別にテレビに出るのがどーこうではないのですが、やっぱり恥ずかしいじゃないですか。そして、気が付けば日も暮れていい感じで何故か手にはビール。そう、並ばれている方の持ち込みや様々な方からの差し入れで、何故かドンドンアルコールが増えていったのです。あの世界に配信された写真もこの時撮影された物だと思います。宴は未明まで続いていよいよオープン。現在札幌でストアマネージャーをされている市野澤氏としっかり握手をして入店。この瞬間なんですよきっと。この瞬間の為に時間や体力を費やしているんですよ。長距離マラソンのゴールテープを切ったら、多分こんな感じじゃないかなぁとも思います。オープンの後ユーザー会等でレポートをする時に言ったりするのですが、オープンの時にあるあのお祭り騒ぎは、是非とも体験して頂きたい。これはどれだけ説明しても残念ながら理解して頂けないのですが、銀座の感想を話した友人に心斎橋で徹夜で並んで体験してもらったところ「これは凄い」の一言でした。論より証拠ではありませんが、是非とも。

この日は iPod mini は買いませんでしたが、ラッキーバックはしっかりゲット。後で本に載った写真を見て思わず「俺、うれしそうやな~」と言ってしまいました。この帰り Gary 氏と話をしていたのですが、次のストアオープンには来ないとの事だった。勿論、日本国内に居る私たちの数倍の移動費が必要な事を考えても仕方が無い事なのですが、是非ともまた何処かストアのオープンで是非ともお会いしたいと心から願う。

名古屋の次にオープンした渋谷では、あのスティーブ・ジョブズに遭遇する事になる。オープンの数日前に Itms の発表で来日していたから「ひょっとすれば」という予感は有った。しかし、まさかと思ったが現れたのだ。車に乗って現れたジョブズは、黒のシャツに、穴の空いたジーパンそしてサンダル。これが CEO のスタイルだろうか?日本ではまずあり得ないと思う。この現れたジョブズはストア内をくまなくチェックし、少し回りを散歩して帰っていった。私もなんとか握手をしてもらう事は出来たが、残念ながらサインはしてもらえなかった。この渋谷オープンは暑さで色々あったが、私にとってはこの出来事が最大の出来事であったのはお分かり頂けるだろう。

昨年の年末に 2 週連続オープンとなった福岡と仙台では、悪友も増えてストアのオープンだけでは無く、食の楽しみも増えた。よく考えれば今までは、本当にストアオープンの為だけに行ってた。前日着いて、オープンその日に帰る。凄いスケジュールだ・・・

そして、ついこの前オープンした札幌。今までの経験を生かして前々日、前日と北海道を堪能しまくる。だがその代償として・・・あぁ。夏場のオープンだったので、是非とも真冬の Apple Store 札幌を見てみたいと思う。でも冬場は航空券高いなぁ。

現在、噂では表参道にストアが出来るのでは無いか?と言われています。数えで国内 8 店舗目。流石にもういいよね~と、思ったりします。でも間違い無くオープンの日が分かったら、時刻表を調べたりしてる事でしょう。

最初のきっかけは名前を残すなんていう何ともな思いつきでしたが、ストアオープンに行っていなければ色々な人と知り合う事もなかっただろうし、今こうして林檎いとしやの原稿を書く事も無かったと思う。新しいストアのオープンに行くと全く知らないスタッフから「お疲れ様です」と言われたり、外国の方から「 ifo で見たよ」と言って握手や写真を一緒に撮ったりする事もある。そう考えれば、 Apple の歴史に名前が残ったかどうかは分からないが「 Apple Store の歴史に名前が残った」のではないだろうかと僕は思う。

libre
西田 陽一
大阪在住でwebやグラフィックデザインを本業としながら、企画等もこなす。Mac歴は長く間もなく20周年を迎える。今日も手足の様に使える画材であるMacを武器に、24時間営業で仕事と戦い続けている。 最近の目標はApple Store Londonに行く事と列車でヨーロッパ一周。
http://www.libre.jp/note/
アップル関係者ならば知らない人居ないという、もしかしたら、日本で一番、アップルストアの人に顔を覚えられている人、そう、あのストアのオープンの時、いつも先頭(付近かな)に並んでいる西田さんです。

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