Vol.89 3Dソフトを作ってます 宮田 大
iMacG3/400 Indigo
わたしがマックに初めて会ったのは12年前くらい。
たまたま、その時に仕事していた会社(ゲーム会社)のパソコンは全てマックでした。
(たぶんゲームの開発環境がマックだったのと、システム管理者がマック好きだったのがその理由)
機種は正確に覚えてませんがPower Macintosh 8100とかだったかナ。
この頃良く使ってたソフトはQuickMailProとスケジュール管理ソフト(名前は忘れました)。
メールの便利さやサーバーでファイルを共有する、なんていう今では当たり前のことに驚いたもんです。
そのあと少しマックから離れていたんですが、2年前に会社を立ち上げ、家作りのソフト開発をやるように
なってからは、またマックに触れる時間が増えました。開発者はもっといいマックを使ってますが、
私が使っているのはもっぱらiMac G3 400MHz。特に理由は無いんですが、たまたまソフマップで
見かけて買いました。(前から欲しかったんです。iMac)おもに自社のソフトの動作確認用に使ってますが、
3Dもけっこう快適に動きます。(ビデオメモリ8MBなのに~)
会社ではWINDOWSとMACで同じ機能のソフトを発売しているので、それぞれいろんな機種でソフトを
動かしてみる機会が多いです。MACを改めて触ってみて思うのはハードウェアとしての性能が高いこと。
特に3DのパフォーマンスはMACの方が断然優秀ですね。WINDOWS機でビデオメモリ8MBの機種では
とうていこんなにスムーズには動きません。
基本的にWINDOWSはビジネスユースで設計されているからなのか、3Dソフトを動かすのはそれなり
(64MBくらい欲しいところ)のグラフィックボードが入ってないとダメです。3Dソフト開発のターゲットとして
考えた場合、MACは標準でグラフィックアクセラレータが入ってるし、OpenGLにも対応しているので、
機種を選ばず動きます。
<マックのよさって?>
マックの良さってなんでしょう?
「そういえばしばらくMACに触ってないな~」なんて時々思わせるパソコン。わたしにとってマックは
そんなパソコンです。
仕事柄、WINDOWS機を触る時間も多いですが、どういうわけかWINDOWS機ではこういう気持ちには
ならないですね。マックで特別なことをやる訳でも無いんですが、触ってるとなんとなく安心する、
というか。そんな感じです。
それとMACって愛嬌ありますよネ。
ロゴがかわいい、ユーザインターフェイスがよい、デザインがよい、新しい技術をいち早く取り入れている、
人によってMACが好きな理由はいろいろあると思うのですが、一言でいっちゃうと、わたしにとっては
愛嬌があるパソコンなんですね。
人間でもそうじゃないですか。人気があるから~とか、仕事ができるから~とか、お金持ちだから~とか、
そんなんで恋人は選びませんよね。(結構相手ではない。念のため)一緒にいて楽しい、なんとなく気が休まる、
マックはそんな感じかナ。
あと起動音も良いですね。WINDOWSのわけのわかんないピコピコ起動音と違って、「ホワーン」というあの音です。
会社に来てまず最初にやることって、パソコンのスイッチを入れることですよね。一日の初めに聞こえる起動音って
結構大切な気がします。
「スタンバイ、OK!」という感じ。
最近知ったんですが発売された時期によってこの起動音って微妙に違うらしいですね。
このマックの起動音の開発秘話とか知りたいナ。
マックって実はメジャーなんじゃないの?>
ソフト会社をやっているものとしてマックのマーケットについて少し感じたことを。
会社に寄せられるマックユーザからコメントで多いのが、「マック向けにソフトを出してくれて有難う」なんていうのが
結構あります。「こちらこそ買ってくれてありがとうございます」って、いつも恐縮しているんです。
マックユーザはソフト不足に悩んでいるのかな?なんて思いますが、わたしも、いちマックユーザとして、
またマック向けにソフトを出している会社としても、マックがもっと盛り上がってほしいと切に願ってます。
と言いつつ、うちのソフトまだOSXに対応していないんです。済みません。
(現在開発中です。毎日何通も「まだ?」ってメールをもらってます。ゴメンナサイ)
仕事柄、パソコンソフトの売り場をよく見に行きますが、数年前と比較してマックの売り場が少なくなっている
ような気がしてとても残念です。
また新聞でパソコンのシェアとかの記事が載っているのをみると、WINDOWSが90数パーセントでマックは数パーセント、とかってなってるじゃないですか。
こんな記事を読んだら、はじめてパソコンを買おうという人がWINDOWSを選んでしまうのも無理からぬ話だし、
会社でパソコンを導入するのにMACじゃ決裁が下りないだろうし、電気店からマックの売り場が少なくなっちゃうのも仕方ないと思います。
でもこのパソコンのシェア。本当にそうかな?と最近思います。
マックのシェアって、意外と高いんじゃないの?って。
うちの住宅ソフトはMACとWINDOWSの両方を販売してますが、単純に売れ行きとかで考えてもマックの市場はもっと大きいような気がしています。
もちろん、これはソフトのジャンルによっても違うし、いちがいには言えませんが。
ただ、パソコンの市場って単純に出荷台数とかじゃなくて、どれくらい、そのパソコンが使われているのか、
ということも考える必要があると思うんですがいかがでしょう。
実際にパソコンが使われている時間(稼動時間)とか、本当にパソコンが活用されているのか、というようなことです。
例えば、会社で支給されるパソコンだと買ってもほとんど使わずほこりをかぶっているのも多いように思います。
使っているとしても決められたソフト(メールとか資料作成とか)くらいしか使わないとか。
でも自分で購入したパソコンは使い方が違いますよね。
インターネットやら、お絵かきするとか、デジカメの写真の整理、CDを作るとか、年賀状を印刷するとか、
いろんなソフトを使うじゃないですか。
パソコンの稼働時間が長く、いろんな使い方をされているパソコンと、会社でほこりをかぶっているパソコン。
両者を同じように1台と数えるのはどうもおかしい。
という訳で、パソコン市場を語るときに、普及台数だけじゃなくて、
例えば、利用時間×ソフトの購入本数/台数=パソコン利用指数、みたいなもので
比較したら、ぜんぜん違った結果が出るような気がします。
どこかリサーチ会社とかで調べてくれないかな~?
そういった話をきちんとデータで示してくれたら、ソフトベンダーや周辺機器のメーカーも、もっとマック版の製品を
開発するだろうし、そうなれば、はじめてパソコンを買う人もマックに目がいくだろうし、いまよりもっとマックの
マーケットが盛り上がるのにナ~、と思う今日この頃であります。
こだわりのマックについて書いて!というのがテーマだったのに、ずいぶん脱線してしまいました。
それではみんなに愛されるMACの発展を祈りつつ。
(宮田 大)
宮田 大
Masaru Miyata
有限会社ハウスネットワークス代表。
www.housenetworks.tv
たまたま自宅を建てたのをきっかけに住宅ソフトの開発を思いつき電機メーカーを退社。2年前に会社を立ち上げ、昨年初のパッケージソフトを発売。
今回は、 DesignHomeCGの有限会社ハウスネットワークスの宮田社長です。DesignHomeCGはMacTreeでも一度レビューしており非常に興味深いソフトという事です。
また、僕が常々思っている、個人稼働率という考え方を見事に実感されている一人で、うれしかったです。
(個人稼働率=個人が所有するパソコンで実際に活用されている台数/個人に対する出荷台数)
(MacTreeProject)
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