Vol.80私とMacとの出会い 戸上 尚子

Book Special Edition
(グラファイトカラー)

 

今回、このサイトを主催する岸田さんより「Macに関する思い出などをエッセィに…」というお話を頂きました。いつも業界の皆さんのお話を楽しく読ませていただいている一読者の私としては、まさに晴天の霹靂。大変光栄な話ではありますが、
全校朝礼でいきなり校長先生の代わりに何かしゃべりなさいって言われたようなもんです。なにしろMac歴・業界歴共に非常に経験が浅いため、語れる話も少ないのです
が、そこはどうか大目にみてくださいね。

私とMacとの出会いは2000年のMacworld Expo Tokyoです。
当時、私はこの業界とは無縁の仕事をしており、更にコンピュータ系のものがとっても苦手で、Windows以外にOSが存在することすら知らない「超」無知な人間でした。
そんな私がある友人に誘われて、幕張のEXPO会場へ出向きました。そう、この会場へ足を踏み入れたことで、その後の私の人生が大きく変わろうとは当時全く予想もしないことでした。アップル社のブースを初めて見たときの衝撃は今でも忘れられません。
黒地に白く浮かび上がる大きなリンゴマーク。そしてパソコンとは思えない可愛いデザインのシェル型iBookやUFOみたいなAirMac。私は発表されたばかりのiBook
Special Edition(グラファイトカラー)がとても気に入り、EXPO直後、早速グラファイトのiBookを購入して、件の友人をMacの師匠と仰いで、せっせと使い始めました。
Windowsしかなかった勤め先に持参してこそこそ使ってみたり、Mac誕生の歴史を勉強したりと、これまで決してパソコンに抱くことのなかった「愛着」がここで着実に芽生えていったように思います。

この愛機にはこれまで色々と助けてもらいました。仕事では勿論のことですが、数年前こんな事がありました。
2001年の9月、NY世界貿易センタービルのテロが発生した日、夏休みでハワイ島に滞在していた私は空港閉鎖でオアフにさえ戻れなくなってしまいました。
終日テレビでこのニュースを報道しているのですが、よく状況が飲み込めない。そこでヘルプメールを日本のMac仲間に出したところ、励ましのメッセージと共に日本で報道されている内容をまとめて返してくれました。いつ帰れるのか分からないちょっとブルーな状況で、日本から送られてくるメールには本当に元気づけられました。
この旅行でiBookの持ち手にヒビが入ってしまったのですが、今でもそのヒビを目にする度にハワイでの数日間を思い出し懐かしい気持ちになります。

2000年のEXPOをきっかけに、私にはMacを愛する沢山の友人ができました。その繋がりで2001年から現職である「MOSA事務局」の仕事もさせていただいています。Macの事を何も知らなかった私が今、こうして沢山の方とお付き合いさせていただいているとは、本当に縁とは異なモノで、きっかけを作ってくれた友人に感謝しつつ、つくづく人生って何か起こるか分からないな~、と感じています。

(戸上 尚子)

今回はMOSA事務局としておなじみの戸上さんにお願いしました。マックなイベントでは最近お会いすることの多い女性です。
これからもMOSAの顔としてがんばってください。

(MacTreeProject)

戸上 尚子
とがみ なおこ

某カメラメーカー、航空会社、大学教授秘書など関連性のない業界を渡り歩き、現在はヤノ電器(株)所属の傍らMOSA事務局を勤める。
現職までは、仕事でMacにもプログラミングにも縁がなかったため、実は筋金入りの素人だが、心優しきMOSA(猛者)の皆さんに支えられ2002年にはApple総本山クパチーノ詣も実現。
スーパー事務局を目指し日夜修行中。
MOSA(Macintosh OS Software Association)

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