Vol.030 編集者ってどういうマシンを使っているの? 山本 雅之
iMac DV Special Edition
●丈夫で長持ち! iMac DV Special Edition酷使マシン
○編集者ってどういうマシンを使っているの?
コンピュータ雑誌の編集者は、変わり者が多い。プリンタをすりすりして、「この感
触がたまらないんだよね」というやつや、机の上に3台も4台もマシンを置いて、「マ
ルチCPU」だよ、と笑っている人など、ネタに尽きない。
オタク度が低いと言われている私でも、個人所有の「現役Mac」は3台。編集部のデス
クでは、グラファイトの初代iMac DV Special Editionを使っており(DTP用には会社
のPower Mac G4/867を使用)、自宅では、PowerBook 400MHz(FireWire)を使用し
ている。そのほか最近、整備済製品として、iBook(Dual USB:コンボ)を手に入れ
た。
もっともこのiBook、買ったはいいが、なぜかDVD-Videoは見られず、CDから起動せず
というしろもの。すぐにクイックガレージに修理に出したが、その後、電源アダプタ
も断線していたことが判明。しかし、「やっぱり○○だからねぇ(○○のなかには好
き勝手な言葉をいれてください)」で許されてしまうのが、われらが「Macの人徳」
であろう。でも、よいことはある。これで、整備済製品が買えなかった編集部の物欲
いっぱいの若造、お嬢ちゃんたちから刺されずに済む。「人生なんといっても○○が
馬」なのだ。
実は、iBookは、出張用として買ったのだが、Apple Expo 2001がテロの影響で消滅。
で、仕方がないので、今は大きなDVD-Video鑑賞用マシンと化している。PowerBook
(FireWire)でもDVD-Videoは観られるが、なぜか、PAL方式のDVD-Videoが観られな
いのだ(iBookでは観られる)。そのかわりといってはなんなんだが、今度はVideoCD
がiBookでうまく観られない(あくまでも、私の環境)。そのため、VideoCDを観る場
合には、PowerBookで観ているという始末。なお、そのほかPowerBook 5300cs/100が
巨大なフロッピーディスクドライブと化している。
編集者にもいろいろタイプがある。中古相場が高いうちに自分のマシンを売り払い、
新しいマシンに乗り換えるタイプ。例えば、うちの編集部のK女史は、PowerBook
400MHz(FireWire)を20万円弱で売り、プラス10万円でPowerBook G4に乗り換えた。
しかし、私は性分がケチなせいか、愛機を売り払うことができない。だって、Macと
過ごしたその時間、時間が、私の人生だったのだから。
○哀れなる哉 バラバラにされたわたしの愛機
今回紹介するiMac DV Special Editionも、いろいろと思い出がつまっている。この
マシンを買ったのは、ハッキリ言って、誌面をつくるため。やっぱり新製品情報が速
く、詳しく載っている雑誌を、みなさん買うでしょう。日本と米国との発売日の違い
はほとんどないから、米国で購入してもしょうがないし、発売直前・直後は、A社か
らマシンを長期で借りられない。「いいもん! 買っちゃうもんね」と身銭を切って
購入したのだ(編集者ってこんなもんだ。決してお金持ちにはなれないので、独身女
性はよく覚えておこう)。
えぇ。いろいろ誌面をつくりましたよ。「iMacの箱を開けてから、セッティングまで」
というビギナー向けの誌面から、「iMovie」の使い方まで。しかし、本に載ったのは
それだけではなかった。
もし、あなたが編集部員だったら、新製品を買っても、だれにも知らせずに、自宅の
押し入れの中でこっそり楽しむだけにしておいた方がよいだろう。まかりまちがって、
買ったことをぽろりと人前でこぼしたら、もう大変。目をギラギラと輝かせ、ハイエ
ナのように編集者が近寄ってくる。
「○○ちゃん(こういう時だけ、ちゃんづけなのだ)。聞いたよ。えへぇ、えへぇ、
◎◎◎買ったんだってねぇ。さすが、編集者の鏡! でも、せっかくだから、中身も
見てみたいと思わない? 思うよねぇぇぇ。じゃ、よろしく。ブツドリ(機器を撮影
すること)は明日だから、忘れずにね」
こんな調子だ。そう。あくまでも「自主的に」分解撮影に協力した。ココがミソなん
だ。
さて、私のiMac DV Special Editionも、すみから、すみまで分解されてしまった。
でも、自分のかわいい子供がバラバラにされるのがつらくて、マシン分解の日は、遠
く旅に出たのだった。翌日出社すると、机の上にはかわいいiMac DV Special
Editionが置いてあった。ところがCD-ROMが出ない! そういえば、口が曲がってる。
ということでもう一度、分解しなおしだ。ま、こんなもんです。編集部って。
ちなみに、マシンの基板はフラットベットのスキャナできれいにスキャンする。フィ
ルムカメラで撮るよりも、はるかに細かいところまで写る。デジタルデータなので、
使いまわしもOK。ええ、私のiMacの基板も、表も裏も、もう、すっかりスキャンされ
ていた。表裏、2つ合わせて、800MBのデータと化したこの基板写真、ムックの編集部
でもひっぱりだこだった。
ところで、分解担当者も同じiMac DV Special Editionを同じ日に買っていたそうな。
やっぱり、自分のマシンを分解するのは恐かった……のだろうね。(ちなみに、この
編集部員はショップ担当で、編集部員に、某ショップのマシンを1年間で十数台売っ
たらしい)
もう、このマシンを使ってから3年近くなる。OSも、8.1、8.5、8.6、9、9.0.2、
9.0.4、Mac OS X Public Beta、9.1、Mac OS X、Mac OS X v10.1と、入れては、消し、
入れては消し。本当に酷使してきたマシンだ。本ができたのも、この可愛いiMacのお
かげとも言えよう。さすがに、ときどき画面が2重になったり、ピンクになったりす
るが、これも人生である。全然関係ないけど、今iMac DV Special Editionの排気孔
の温度は摂氏63度を記録している。やっぱり熱い。ちなみにG4 Cubeの排気孔は摂
氏49度。さあ、油を売ってないで仕事をすることにしよう。
だが、「山本さん! ちょっとiMac貸してください! ブツドリに必要なんですよ!
いいですね!」って、また、iMac DV Special Editionは持っていかれてしまった。
(山本 雅之)
いつも、イベント会場でしかお会いしませんが、なぜか、滝口編集長が、立ち話をしているときでも、急がしく走り回っておられます。今回のお願いも、iweekの時にお願いしたのですが、ゆっくりとお話した記憶はありません。一度ゆっくりとはなしましょう
次回お会いできるのは、3月の東京でしょうか??
(MacTreeProject)
山本 雅之
やまもと・まさゆき
1963年横浜生、横浜在住。
1986年早稲田大学第一文学部社会学専修卒。87年毎日コミュニケーションズ入社。
美術部、事典編集部を経てMac Fan編集部に異動。97年3月にMac Fan Beginners編集長に就任。
Mac Fan Net(< http://macfannet.mycom.co.jp/ >)の編集長も兼務。
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