Vol.26 究極のモバイルノートMacを夢見て 新宿の父@小林

PowerBook2400(改)
CPU :InterwareG3/400Mhz/1M
HD:20G
memory:112M
weight :1.9kg

1)いまさら【Your Life To Go】 ?

いきなりですが、新iBookのCM【Middle Sheat 】見ました?
飛行機の夜行便に乗る若者が、真ん中の席を指定。両脇が寝ているのをいいことに
両脇のテーブルをちゃっかり拝借。CD・デジカメ・パームを、ごちゃごちゃ出して
iBookでガールフレンドのビデオを編集するというやつ。

iBookを買ってモバイルしようかな?という方、老婆心で言いますが、
あんなことしちゃいけません。迷惑なだけです。
モバイラーなら、ムービーの取り込みは事前に済ませ、機内では
iBookのみ開いて、こっそり編集するのが正しい姿です。

最初から話が脇にそれたけど、この新iBookの売り文句が、
【Your Life to Go】要はモバイルを売りにしてるんだけど
じゃあ今までのノート型Macはなんだったんだ?というのが
私の第一印象。
ノート型はいつでもどこでも持ち歩くのが当たり前のことだし、
そんなのPB2400でこっちはとっくにやっているわけで、何を今更・・・

じゃあアップルは今までノート型コンピューターをなんだと思っていたの?

2)デスクトップ並のモバイルノートPB2400

いつでもどこでも・・のモバイルを私が始めたのは、4年前。
自宅~職場往復オンリーのPB5300からPB2400に乗り換えたときだった。
「スペックまでスモールじゃ・・・・・」という売り文句。刺激的だったなぁ。
「ノート型はスペックで我慢を・・・・」という常識がひっくり返ったのだから。

買ってから1年後にG3カードを入れたPB2400は、長い間、私のデスクトップ
SuperMacJ700を上回る性能だった。スキャンした記事を読み込んで・・・
デジカメのデータを移して・・・・画像を扱うのが苦にならないスペック。

「これよ!これ!」PB2400を手にした私は何度叫んだろう・・・・
デスクトップ並のスペック(後にG3/400Mhzに強化)を気軽に持ち運べる
快感はやってみないと絶対に判らない。
モバイルは、家と職場(学校)の往復だけではない。
場所を選ばずに仕事ができるのが、モバイルなのだ。

これまで様々な場面があったけれど、去年の沖縄サミット取材。
突如、東京から連絡が入って、全く別の仕事の書類を大急ぎで作らねば・・・・
時間は2時間空いている。でもプレスセンターは開いていないし、
ホテルに帰るのは時間がもったいない・・・

私は迷わずENXAのPowerBatteryとPHS・Paldio611sを活用して、
その仕事を喫茶店で全てやってのけた・・・・
関係書類は全部PB2400に入っていた。足りない情報はPHS経由でWebで
いざとなれば自宅のコンピューターにだって PHSでリモートアクセスできる。
PDA じゃこんな芸当できないでしょ?

PDAを使うって事は、あらかじめ外での自分の仕事で必要な情報と作業を
限定するという、とても不自由なことだと思う。
いつでもどこでも自分のオフィス&自宅環境・・・・
コンピューターって、究極はそれでしょう?
それならWinでも・・・と思う人はいるかもしれないが、
Winはシステムが壊れると、システム再インストールで内部の情報が
全部逝っちゃいますね。
バックアップをすりゃいいのだけど、修復に大変な手間がかかる・・・・
システムを再インストールするだけで、OutLookExpress(Win版)の内容を
バックアップとって、再インストールして・・・仕事が1日止まります。
同僚のWinでやってみてもうこりごり・・・・やってみれば判りますよ・・
大変なんだから。

Macは、システム再インストール&元の環境復元。
出先でも30分以内に直せます。
Macはシステムだけ入れ替えればいいんだから手間もかからない。
トラブルの時に、OSの真価が判ると思うなぁ・・・・
3) 「駅弁」デモンストレーターになった訳

これだけ、PB2400と一緒にいれば、愛着もわいてるけど、
もっと薄くて軽く、しかもハイパワーな新型はやっぱり欲しい。
でも、Jobsが復帰したアップルは、巨大で重たいPowerBookG3しか
作らなかった。
しかも、当時の PowerBook開発担当者は、「小さいのはつくらん!」と
言ってのけたのだ(おいおいじゃあ、新iBookはどうして作ったの???)
この辺の話、私のホームページ「なぜ心中するのか?」に詳しく書いてあるので、
繰り返しは避けるけど、当時ホームページを持たない私が開発担当者の
不条理な断言に反発して始めたのが駅弁デモなのだ。

金があればEXPOのブースの一角で、徹底抗議するのだが、そりゃ不可能・・・・
あとは警備員さんに怒られないように駅弁売りスタイルで、モバイルデモを
するしかなかったのが、正直なところ。

その後HPを通じてモバイルの楽しさを訴えようと、立ち上げたホームページで、
まさか、アップルに対する、対面修理復活署名を集めることになろうとは、
当時夢にも思っていなかった・・・・

対面修理の活動を物理的に支えたのはPB2400 であることは
言うまでもないけど、
実際、アップルに対面修理の復活を決意させたのは、パワーブックを1日たりとも
手元から手放せないほど自分の一部になっているユーザーの危機感だと
思っている。

さんざん「コンピューターでこんな事ができる」って、素人に夢を売っておいて、
いざ故障となったら、1週間も平気でユーザーから引き離すことに疑問を感じない
メーカーって何か重大なことを見失っている。
これはアップルだけじゃないけど・・・・

4)なぜCubeは売れなかったか?

さて、最初の話に戻りたい・・
「アップルは今までノート型コンピューターをなんだと思っていたの?」
という点。
アップルは、プロ&コンシューマー(初心者)の2つのカテゴリーに
それぞれ、ノート型・デスクトップ型と4つのマトリックスに分けていた。
そしてCubeをプロシューマーのデスクトップと言っていた気がする・・・・

しかし、こりゃ完全に【作る側の論理】で区切られたマトリックスだ。
全然【ユーザー本位】じゃない。
【ユーザーの使用実態】マトリックスで考えてみると・・・・・

デスクトップ        →PowerMacG4

省スペースデスクトップ   →PowerBookG3/G4・旧iBook・G4Cube
(=ポータブルデスクトップ)

モバイルノート       →PowerBook2400
私から見れば、Jobsのアップルは、【ユーザーの使用実態】を無視して、
せっせっせと何種類物もの省スペースデスクトップを作り続けていたのだ。
省スペースデスクトップが欲しい人はPowerBookG3/G4や旧iBookを
既に購入していたわけで、そこへG4Cube作っても売れる訳ないでしょ?
ね?Jobsくん・・・・・

ホントは何年も更新されていない空白の「モバイルノート」のマトリックスを
埋めるべきなんだけどなぁと思ってたら最近ようやく埋まった。
新iBookの登場だ。【Your Life To Go】
ようやくアップルが【正道】に気ずき始めた兆候だと私は思っている。

5)退屈な新iBook

でも新iBook・・・個人的には買う気に全然ならない。
対面修理廃止の時の対策でもう一台PB2400を買ったのもあるんだけど、
現在保有のPB2400が両方ともつぶれたとしても気が進まないなぁ・・・

だってOS9+新iBookとOS8.6+PB2400(G3/400)ほとんど変わらないもんね
劇的にスペックが上がっていないのにPCカードはないしねぇ・・・
コストパフォーマンスはいいけど、新規購入ならともかく、
既にPB2400を強化している人間には、全然魅力的じゃない。
そもそも新iBookはお子さま向け。おじさんはわくわくしないのです。
周囲の同僚はiBookを紹介しても全然関心がない。
DellやGateway・IBMの新型に目がいってる。
PowerBookG4だってサイズを聞いてみんな引いちゃった。
大体、薄型軽量B5ノート作ってない外資系企業はアップルだけなんだよねぇ。
新iBookをWinから乗り換えた人がいたら見てみたいよね。
新iBookを買っているのは、重いPowerBookG3や旧iBookに疲れた人が
買い換えているだけじゃないのか?と思ったりする。

新iBookはオジサンにとって中途半端なのだ。
「モバイルに使えないことはない」というだけで、重さもサイズもスペックも
全然割り切ってない!【軽くてそこそこのパワー+安い】それだけじゃない???
それってPDAの発想っぽい。
ハードのスペックの制限にライフスタイルを会わせるなんて、私はごめんです。
今のアップルのノート型製品ってわくわくしない。
スペックはすごいけどでかいPowerBookG4。
ちょっと小さくて安くなったけど、平凡な新iBook。
スペックハイエンド・・でもコンパクト!なやつ。
PB2400の遺伝子を引き継いだやつがどうしてないわけ???
保有している2台のPB2400が息絶えたとき、私はどんあ機種を選べるのか?
そしてMacOSXはモバイル使用になっているのか?
不安はホント尽きないなぁ。
だから、またアップルに意見したくなるんだけど(笑)
今欲しいのは、PoerBookG4の12インチ液晶版!!
(ホームページに載ってます)
→ http://www13.u-page.so-net.ne.jp/qa2/mosula/G4Compact.htm
たのんますよアップルさん!
割り切りや思想の点を含めると、現在も真のモバイルMacはPB2400だと
私は思う。
私はやっぱりこいつと心中するしかないのかい?アップルさん(笑)
でも、きっといつか理想のモバイルノートがいつかでることを信じて
PB2400を私は使い続けたいと思う。

2001年8月

追記:MacTreeの岸田さん、ホントにただのユーザーの私に思いのたけを
述べる機会を下さって本当にありがとうございますm(_ _)m

(新宿の父@小林)

 

新宿の父、小林さんと言えば、EXPOなんかで画板を持って署名を集めていたパワフルな、姿を覚えている方も居るのではないでしょうか?
今回のエッセイも、すごい量、、、パワフルです。
ibookを持ち歩く身としては、早く実現して欲しいですね。

(MacTreeProject)

新宿の父@小林
しんじゅくのちち・こばやし

神奈川県藤沢市辻堂の出身。1965年生まれ。
大阪勤務中、カミさんに拾われ現在、新宿在住・2児の父となる。
Macな世界との出会いはMMUJ(Mobile Mac Users Japan)に加入したのがきっかけ。 MMUJに小林が複数いたため、「新宿の父@小林」と名乗り始める。

モバイルの可能性と楽しさを伝えるために
【PowerBook2400と心中するしかないのかい?(会)】
(http://www13.u-page.so-net.ne.jp/qa2/mosula/PB2400_Index.htm) を、去年、立ち上げる。直後にアップルが血迷って対面修理体制廃止の決定したため、 署名活動をはじめることに・・・。
PB2400の後継機実現のために何ができるか?思案中・・・

仕事は、某放送局の報道ディレクター
PB2400は、カミさんよりいる時間が長い。

自宅にPowerMac9600があるが、
子供に占拠され深夜しか使ってない・・
PowerBook2400と心中するしかないのかい?(会)
(http://www13.u-page.so-net.ne.jp/qa2/mosula/PB2400_Index.htm)

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