Vol.10 お金のかかった彼女 魚井宏高

Macintosh PowerBook Duo270cCPU:68030(33MHz)
メモリ:4MB/最大32MB
ハードディスク:240MB SCSI
ディスプレー:8.4インチ256カラー液晶

自分のパソコンを擬人化することなどめったにしない僕だが、このDuoだけはどうしても「彼女」のイメージが強い...
そう、彼女が僕と出会ったのはたまたまだった。

Duoシリーズはすでに230を持っていたこともあって、馬鹿高いカラー機など元から高嶺の花だったからだ。
そこに、ふらっと現れたのがDuo270cだった。
要するに、現物支給でもらったものなのだ。
それまで、PowerBook100、Duo230と常に持ち歩き指向の僕としては、たとえ少々重くなろう(なんと、2.2Kgで300gも増えた)が、毎日持ち歩いた。

そして、ここから僕の不幸?が始まる。

カラー液晶機になると、それまでのモノクロ液晶機とは違って「メイン」として使ってしまうようになった。
当時、本来のメインは150万円も出したQuadra900だったはずなのだが、多少画面が狭くても、多少?キーボードが打ちづらくても、Duoを膝の上に載せて仕事をするスタイルがやはり楽なのである。
そのスタイルが固まってからというもの、僕は彼女をメインにするための投資にいそしむこととなった。

DuoDockやDuoMiniDockを手に入れ、さらに、外でプレゼンするためのディスプレイアダプタPowerLinkPresenter、その後EtherMicroDockにSCSIMicroDockと貢いだ額は一体どれだけになるんだろう?
もちろん、本体のアップグレードも忘れていない。
270cから280c、そして2300cへと、また、キーボードも打ちやすいものを求めて二回ぐらい交換した。
これだけでも30万円近い出費だった気がする。
いくらDuo本体が軽くても、2つぐらいの小さなドックも持ち歩いていたから、トータルではかなりの重さだったに違いない。

とにかく、手間暇金のかかった彼女だったが、逆に最も長い間付き合っていたPowerBookでもあった。
しかし、長い春は続かないとはよく言ったもので、2400cの登場と共に、僕はあっさり彼女を捨てることになる。

その後、彼女は一時貸していた先でメインボードと液晶をやられてしまい、いまや、彼女のために買った数多くのアクセサリは全く使われずにいる...
もったいない話だし、修理して使えるようにしようかと思わなくもないのだけど、それもできずに、未だに部屋の片隅で眠っているのだ。

(魚井宏高)

 

魚井先生と初めてお会いしたのは、たしかあの伝説のイベントMacFan EXPO in Kansaiだったと記憶している。そのころすでに魚井先生はマックな人として十分に活躍されていたし、岸田のページを知ってもらいたくて、名刺交換させていただいた。その夜の忘年会で、当時から今まで仕事上でのおつきあいもあるW女史と魚井先生とがお知り合いなのを知り、世間は狭いと実感。その後、さそわれてMUGNETに行くようになり、魚井先生の影響でレゴにも興味をもったこともある、かなり岸田に影響を与えている一人。現在は、魚井先生によると連載が終わってほっとしているはずが・・・だそうです。

(MacTreeProject)

魚井宏高
hirotaka uoi


雑誌連載が全部終了して、ほっと一息つく間もなく、本業が忙しくなってWebページの更新もままならない日々を過ごしている。映画6dじゃないが、もう一人自分がいてもいいかもしれない等と思っているこのごろだ。でも、二人ともさぼるだろうなあ。

Leave a comment

Your email address will not be published.


*